sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて 冷たいシャンパンと 届いた本と手紙に気持ちが緩む、 感じ

映画:ひつじ探偵団

 
わたしは猫と暮らしてますが、それ以外に好きな動物といえば何よりロバ!ロバかわいい。ロバ飼いたい。
で、この羊映画ですが、猫もロバも出ないし、リアルの羊が特に好きなわけでもないです。でもウールにはお世話になってるし(最近靴下編みデビューしたことだし)、そもそもどうもわたし、なんか実写映画にこういう動物が出るものが多分好きみたい。
パディントンも好きだし、あの凶悪でガラの悪いピーターラビットのかわいさたるや。虎と漂流する「ライフオブパイ」も好きだったし、実写版「ジャングルブック」とかも好き。アニメが名作の「ヒックとドラゴン」も実写版(動物じゃなく恐竜だけど)も好きだし、この手の映画にだいぶ弱いようです。

 

イギリスの田舎町で、愛するひつじたちと共に一人で暮すひつじ飼いのジョージ。彼は毎晩、たくさんのひつじたちに探偵小説を読み聞かせています。
彼らが物語を理解し、その時間を楽しみにしていることも知らずに・・・
ある日、そのやさしいジョージが死体で発見されます。これが事故だと信じようとしないひつじたちは、最も賢いリーダーのリリーを筆頭に、老若雄雌!?のひつじたちが結束して捜査を開始!
手がかりを追ううちに、ジョージには47億円の巨額な遺産があったことが発覚!
みんな、みんな、あやしい!果たしてひつじたちは犯人を見つけ出し、愛するご主人の無念をはらすことができるのか??(公式サイト)
羊飼いのヒュージャックマンが死んで、その真相をさぐる羊たち、という話なので、すぐいなくなるヒュー・ジャックマンのもったいない使い方にも興味があった。笑
映画は牧歌的なミステリーだけど案外面白かったし、羊たちもよかったし(字幕で見たけど声優も良かった)、冬生まれの子羊がめちゃかわいかったです。
 

そういえば、羊が、羊はつらいことに耐えるようにできてないんだよと言って、みんなでほいっと自ら記憶を消しちゃうことができる設定には、少しうなった。苦しいことや悲しいことは1、2の3と忘れてしまうという設定が、案外リアリティがあってつい人間に当てはめていろいろ考えさせられもした。

猫の前にうさぎを飼っていたことがあって、その子は11年くらい生きた健康な子だったけど、うさぎというのはデリケートな動物で、わりとちょっとのことで死んでしまうのは、うさぎは強い恐怖や痛みに耐えられないから、死んでしまうのが楽だからそうなっているのだと聞いたことがあったのを思い出したのです。うさぎを長く大事に飼っていると無理してでも長生きさせようとしがちだけど、たくさん生まれて、長く重い苦痛を知らずすぐに死ぬ生き物、という生のあり方も、人間の気持ちやモラルに関係なく、うさぎ的にはありなのかなぁ?と、よく考えていました。

映画の中の羊たちは大事な存在が死んだりすると、その記憶を消してしまう。だから大好きな親が死んでも、それを知らず、羊は時が来るとふわりと天に登って雲になるのだと信じている・・・これって中々深いことを言ってると思いませんか。生と死を人間の持つ概念で考えるのは間違いで、羊には羊の生と死があるのではないかとまた思いました。
映画の中では、そういうあり方に疑問を持つ羊も現れますが。
なんにせよ、何にでも人間の生の在り方を当てはめるのは良くないし、いや同じ人間同士でもそれぞれだよなぁと思う。

 

そういえば、本屋大賞をとって評判のいい小説「カフネ」をオーディブルで聴いたのだけど、ゆるふわに厳しいわたしとしてはやや辛口な批判をたくさん持った本で、それについては別のところで書きますが、一方この「ひつじ探偵団」みたいな映画には大変甘いので、こっちの方がよっぽど「ゆるふわ」ではないか、と思われるかもしれませんが…
いやでもね、違うのよ、これが全然。
ファンタジーの世界はふんわり暖かくても、多少ご都合主義でも、キャラが類型的でも、それは「ゆるふわ」とは別の次元なのです。 死んだ羊飼いの真相を探る羊たち、という話で、ミステリー部分はミステリー慣れしてないわたしは謎を楽しんだし、とてもわかりやすいキャラクターの村の人々も面白く見れた。上記した羊の記憶をめぐる設定にしても、ちょっとしたディテールやユーモアや笑いのどれも、類型的であってもそうであることの良さが存分にある。ファンタジーの物語としての必然性がしっかりあるのです。そこが「カフネ」と決定的に違う。
 

 ともあれ、名作かどうかはわかりませんが個人的にはとても気持ちよく見た映画。

そして昼にすごい雷や雨や雹が降ったけど、帰り道の夕方の空はきれいだった。