
今年の春頃だったか、中島らもの「今夜、すべてのバーで」の読書会に行った。
中島らも生前からのリアルタイム勢(わたし)と、あまり知らないワカモノ勢と、熱がだいぶ違ったのが面白かった。
わたしは依存症の人に2度深く関わり大変な目にあったこともあって、中島らもの言葉は全部すっかりよく知ってる気持ちでスルスルと入ってくる。どこを読んでも、自分には理解できるという気持ちが溢れる。自分自身大体の人よりたくさん飲むので、最近の若くてお酒を飲まなくて中島らもを初めて読んだ人とは、話す内容は全く違ってくる。
でも、若い人の個人的な(アルコールではないけど)依存の話しや、年配の人のご家族の依存症の話など、初めて会って読書会以外ではまた会うこともないだろう人たちの中だから話せるのか、今回は特に個人的な話がよく出た読書会になった。
依存症患者のあけすけで時に露悪的なこの小説は、その一方で滅法優しいのである。この本の中で中島らもは人生を諦め切ってはいないし、人を信じているのだな。
ただ、ラストだけはちょっといただけない。明るい終わり方自体はいいけど、ちょっとうまくまとめすぎて現実的ではなさすぎる。嘘っぽすぎるしそんなふうに雑にいい話みたいにまとめてはいけない・・・と不満はあるけど結局、安直な本にならないだけの内容があるので、まあいいかとも思う。またいつか読み返して、また付箋だらけにするだろう。
読書会の帰りに良いワインバーを見つけた。
ゴルゴンゾーラのフィナンシェというのがあって、これが赤ワインにとても良く合って感激した。中島らもと、らもを読むと思い出す人に乾杯。
